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日常のはなし 言語聴覚士として

誰かのヨガマット

行政からの依頼で、地区の集会所に出向いて、「きこえ」「ことば」「のみこみ」など、言語聴覚士としてお話をさせて頂く機会がわりとたくさんあります。


先週も、おばあちゃんたち約20名(毎回のことながら、なぜかじいちゃんは来ない)に、聞こえの話を1時間させて頂きました。

帰ってきて、プロジェクターとかスクリーンなどの機材を家の中に片付けていると、車の中に、見慣れないサンドバックのような大きな塊が積んである。

(なにこれ?)

時を戻そう。
・・・・

わい「外耳には耳垢が貯まりやすくうんぬんかんぬん」
ばあちゃん「はあー、ふーん、へえー」
???「ごめんくださーい」
ばあちゃん「はーい?」
???「わたし、ヨガ教室の講師のものです」

わい「?」
ばあちゃん「?」
???「???」

あとで分かったことですが、ヨガ教室の先生は社会福祉協議会さんからの依頼を受けて、市内の集会所でヨガ教室を開催しているらしい。
この日は先生が予定を勘違いしたもよう。

ヨガ教室の先生「では失礼します。さようなら。」
ばあちゃん「はいはい、さようなら」

ばあちゃん「わたしら、膝痛くて、ヨガなんかできるわけねぇべよ…」


この日、言語聴覚士としての話はなかなか盛況。
ばあちゃんたちの反応は分かりやすい。面白ければ良い顔、つまらなければつまらない顔をしてくれる。専門職向けに講義をするとこうはいかない。

ばあちゃん「今日は、いい話だった。ありがとう。ところで、荷物いっぱいあるけど、片付け手伝おうかね。」

・・・となって、家に帰ってみたら、ヨガマットなのである。

先生、ヨガマットも忘れていった。
ばあちゃんは、そのサンドバックのようなヨガマットは私のものだと思ったらしい。

あとで市役所に連絡して、サンドバックは市へ届けました。
無事、先生のもとに戻ったのでしょうか。